日曜実話劇場
前から行きたいと思っていた、とある飲食店に行ってきました。
1歳の息子を抱っこヒモに入れて男二人、いざ入店。
ドアを開けると店内はとても静かで、ピンと空気が張りつめています。
ほぼ満席にも関わらず客の話し声は聞こえず、店員さんの調理音だけが響きます。
(な、なんたる緊張感。。。店もプロならば客もプロということなのか。。)
ちょっとドキドキしながら注文を済ませ、水を飲みながら到着を待ちます。
すると、
「・・だからよぉ、金は払うっつってんだよ。いくらだ、ああ?ったく、ふざけやがって!」
一人のかなりコワモテなお客さんがブチギレてるじゃないですか!!
「いえ、本当にお代は結構ですので!本当に申し訳ありませんでした!」
ひたすら謝る店員さん。
緊張感の原因コレだったかー!なんて気付いてしまったのでした。
どうしてお怒りになってらっしゃるのかは分かりませんでしたが、とりあえずそのお方に刺激を与えないよう気配を消し、透明人間化を図る俺。
が、その時!
「・・フェ〜、、フェ〜〜!!フェ〜〜〜〜〜!!!」
抱っこヒモの中の息子が壁に貼られた『本日のオススメ』の写真を指差し、アレを食わせろと騒ぎ始めました!
(待て!今は、今だけは静かにしててくれ!)
そういえば野球のキャッチャーマスク持って来てなかったっけな、と懐を探り万が一に備えようとする父。
しかしハンカチとティッシュしか出てきません。当たり前です。
「ハ・イ・ハ・イ、そうでちゅね〜♪ 食べたい食べたい食べたーいね〜〜♪♪(with 滝汗)」
咄嗟に口から出た子守唄は書き下ろし完全オリジナル曲。
このメロディーが効いたのか、そのお方は少し落ち着きを取り戻し店を出て行かれました。
店内の空気がふっと緩みます。
、、、と思ったら今度は!
厨房の奥から
「コン、、、コン、、、コンコンコン!!」
(どした?!)
店内に訪れる再びの緊張感。
さっき謝っていた店員さんがいきなり猛烈な咳に襲われています!
「コンコンコンコン!!」
高橋名人級の連射速度にたまらずトイレへ駆け込む店員さん。
トイレのドアが薄いのか、中から聞こえてくる凄まじい数の『コン』。
しかし店の中の人間は皆気づいていたことと思います。
その咳って、、、完全に『ストレス性』のヤツですよね?って。
咳の音に耳を傾けながら食事を済ませた僕は、次の用事もあったのでさっさと会計に向かいます。
すると女将さんに
「パパさんも大変ねえ。ちっちゃい子抱っこしてたらゆっくり食べられなかったでしょう。」
って声かけられたんですけど、いやいや、ゆっくり出来ない原因は全く別にあったでしょ!って。
そんな帰り際、女将さんの
「ありがとうございましたー!」
に合わせてトイレから聞こえた咳に
「ココココン、ココンコンコーン!(ありがとうございましたー!)」
のリズムを感じた、そんな休日の記録。
あなたのハートには、何が残りましたか?