招かれざる客
好きな中華料理屋があって、また行く事にした。
そしたらちょうど同じタイミングでテレビに出てしまい、ただでさえ行列店なのにさらなる行列が予想される状況。
子供連れで並ぶのかあ、、、と思いふとネットを見たら『予約可』と!
おおそれならばと、来店一ヶ月前に予約の電話をかけてみた。
「すみません、予約お願いしたいんですけど。」
「ハイ、人数ト日ニチ、オネガイシマース!」
電話に出た女性は外国の方のようだ。
「◯月◯日のお昼12時半に、4名です。」
「◯月◯日、12時半デスネー。エーット、、、」
そのとき、彼女の後ろからボスらしき男性の声が聞こえた。
「だめだめ、12時半はやめて!入れないで!」
お昼時真っ盛り、やはり店としても客には並んでもらってギャンギャン回す方針ってことなのかな?
それなら仕方ない。。。
諦めかけていた矢先、電話口の女性から信じられない言葉が返ってきた。
「予約ダイジョブデスヨー!」
ウソーン!絶対入れちゃダメでしょー!つーか、後ろの人の言うことちゃんと聞いてー!
「そ、そうですか。。じゃあよろしくお願いします。」
まあ、、、大丈夫と言われたからには入れるしかないからね。
こうして予約の電話は終わった。
それからおよそ一ヶ月後の来店前日。
不安で仕方なかった俺は、店に予約確認の電話を入れた。
「すみません、明日の12時半に予約させていただいている佐藤ですが、確認で電話しました。」
「はい、確認しますねー。少々お待ち下さい。」
今回電話に出た女性は日本人のようだ。
しかし、待っている間も電話からお待たせメロディーは鳴ってこない。
と・い・う・こ・と・は、だ。
おねえさんの話し声が丸聞こえなんだよね。
「・・・ちょっとぉ〜!誰よ、12時半なんかに入れたの〜!どうすんのよ!」
ボスらしき男性の声も加わる。
「だろ?ダメだっつったのによ、まったく!」
「もう入っちゃってんでしょ?しゃーないわ〜、ったく!」
スマホを耳に当てながらちびまる子みたくおでこに縦線出ちゃってる僕の姿、あなたには見えますか?
「もしもーし、佐藤様お待たせしましたー。明日予約入ってますのでお待ちしておりまーす!」
ん〜、、、お待ちされてる感、ゼロ!!
そういえば、幼い頃の俺に母はよく聞いたものだった。
「クイズです!ねえ恭ちゃん?世界で一番、破壊力を持つボタンってなーんだ?」
「んーとね、核兵器の発射ボタン!」
「あら、賢い子ね〜!さすが私の子!」
かあさん、知ってましたか?
二番目は、押してもらえなかった電話の保留ボタンです。